文字が消えた日

一昨日の夕方のこと。

いつものように夜ごはんの支度を済ませ、ひとりでゆっくりテレビを見ながら、夕食を食べようとしていました。

 

 

すると、テレビに映る人の顔が歪んで見えています。

(おかしいなぁ。ニュース番組なはずなのに。)

ドッキリかなと思ったけれど、すぐに気付いた。

ドッキリなんかじゃない。

私の眼がおかしいんだ。

 

 

ニュースキャスターの顔が歪んでる。左眼辺りと口元が渦巻きのようになっており、顔が上下に歪み出している。

更にニュース番組のテロップも所々文字が欠けていてきちんと読めない状態。

えっ、えっ、どうした??

私の眼。これってもしかしたら、再発なん??

 

 

そのとき自宅には、私だけ。旦那さんは残業中。

不規則なお仕事のため、いつ戻るかわかりません。 

 

 

3年ちょっと前に視神経脊髄炎という難病を発症したときから最も恐れていた再発。

『1年から1年半くらいの間で再発は頻繁に起こります。再発の程度は実際のところ、起きてみないとどの程度問題になるか、わかりません。

四肢麻痺、歩行障害、視力低下、いずれ視力を失い全盲になる可能性があります。車椅子や寝たきりの患者さまもいます。

再発の発生と程度でそのときそのときで徐々に自分なりに障害を受け入れていきましょう。』

 

 

上記の言葉は以前の主治医がおっしゃったもの。

「はい、そうですねー。わかりました。受け入れるように努力してみます。」

な〜んて言葉、私は一切主治医に言えなかった。

当たり前だよね。

簡単にそんなこと、受け入れてたまるかよ。

 

 

「こうなったら、再発しないように気をつけた日常生活を送るんだ!!」

そう心に誓ってから血糖値上昇しないように。

食べ過ぎないように。

動けるときはウォーキングするように。

とにかく気をつけて気をつけて。

視神経脊髄炎を発症してから、この3年間。一度も再発することなく、毎日穏やかに暮らしていたんだ。

 

 

なのに、なんでかなー。

やっぱりストレスたまってたんだなぁー。

ずっと前から心配のたねであった再発がこんなにも突然急に起こるのか…

悲しいなー。悔しいなー。なんでかなー。

ふと気付いたら、私の手はブルブルと小刻みに震えておりました。

 

 

音声はバッチリ、いつも通りに聞こえてくるのにおかしいの。

見えない。

見えない。

ここが見えない。

ここも見えない。

そこも見えない。

歪んでるよ。

テレビが歪んで見える。

まともに見えない。

見えない。見えない。見えない。

どうしよう…

怖い…

 

 

こんなときに限ってひとり。

誰かー、助けてー。

私の側にいて。

ひとりにしないでー。

 

 

不安と恐怖でとにかく心細い。

誰かに助けてもらいたくて思わず、Xに投稿。

いつもなら、ネガティブな投稿は絶対に避けていたのに。

それでもやっぱり誰かに安心感を求めていた。

 

 

投稿するとすぐに反応をしてくださる方々から『大丈夫?心配だよー』メッセージが届く。

ありがたい。

SNSは辞めた方がいいと以前先生から言われたけれど、付き合い方によるんだよ。

少なくとも私の周りには優しくて思いやりのある温かい方たちがいる。

本当にいい人ばかりだ。

スマホは振動で反応を示してくれるが、内容がわからない。

それでもうれしくて涙が出てくる。

フォロワーさんの声を知りたい。

見たい。

見たくて見たくてたまらない。

なのに文字が欠けてうまく読めない。

読みたいのに見えない。

視力低下や視野が欠けていることがこんなにも悲しいのか…

 

 

明日、必ず眼科受診しよう。

とりあえず、安定剤と睡眠薬を服用して眠ることにした。